研究課題
Aire欠損マウスで実際に標的となる自己抗原の胸腺髄質上皮細胞(medullary thymic epithelial cell:mTEC)における遺伝子発現レベルが必ずしも低下していない事実に基づき、我々はAireが自己抗原以外の遺伝子の発現制御を介して自己寛容の成立に働くモデルを提唱してきた。この問題を解決するためにはAireの「真の標的遺伝子」を同定することが必須である。そのため、Aire遺伝子改変マウスを使ってSingle-cell analysis解析を行い、Transcriptome解析との整合性を確認した。他方、Aireによる自己寛容の成立機構については、我々が新たに発見したAire欠損mTECから異所性に発現したCTLA-4がDC上のCD80/CD86リガンドを奪い取っているとするモデルについて検証した。同様に、Aire欠損マウスにおけるTregの減少が、上記trans-endocytosisによってCD80/CD86-CD28シグナルが減弱したことによる可能性について検討した。そのためAire/CTLA-4二重欠損マウスを作出し、Aire欠損マウスにおけるTregの減少が回復するか否かを調べた。ただし、CTLA-4欠損マウスは重度の自己免疫病態によって早期に死亡するため、生後2週間程度の早い時期に実験を行う必要があった。最終的に、Aire欠損mTECからの異所性発現CTLA-4がTregの産生障害を介してAire欠損マウスにおける自己免疫病態の原因となっていることを胸腺移植の実験によって確認した。すなわち、Aire/CTLA-4二重欠損マウス由来の胎仔胸腺を移植した場合には、Aire単独欠損マウスの胸腺を移植した場合よりも自己免疫病態が改善する事実により、mTECに異所性に発現したCTLA-4の自己免疫病態への関与を明確にすることが出来た。
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件) 備考 (1件)
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