本研究は,災害に対するイメージを描きやすくするために,AR(拡張現実)技術に注目し,AR技術を活用した教材の開発と授業実践を通して,生徒の防災意識を高めることを目的とした。そのため,全国各地で行われているAR技術を用いた防災に関する展示を見学し,教材への活用について検討を行った。その結果,豪雨時の「浸水深」を対象とした授業実践を行い,生徒の生活圏や通学路における豪雨時の浸水シミュレート画像を作成し,災害の「見える化」を行った。授業後にアンケートを行い,多くの生徒が「イメージしやすい,災害・防災に興味を持つことができた。」と答えており,防災意識を高めるという点では有効であることが分かった。
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