本研究は中学校技術科における材料を加工する学習,特に金属の棒材を弓のこで切断加工する学習における技能習得の指導を,学習者の認知特性から検討することである。認知特性の分類については,本田40式認知特性テスト(2015)を参考に,初学者の中学生45名を視覚優位者,言語優位者及び聴覚優位者に分類した。その結果,材料の切断について意識的に自分の理解を確認するような意識は,個人による活動群における聴覚優位者は最初の意識は低く,モデルの適用後にやや向上し,練習後には他の学習者と同程度の結果であった。このことから,個人で学習する聴覚優位者については,モデルの適用時に認知特性に応じた指導の必要性が求められる。
|