本研究では,中学校技術科において自転車のハブダイナモを用いた小水力発電機の製作を軸にした授業実践の結果と考察を行った。生徒らは,実際にマイクロ水力発電機を開発し,電気エネルギーを作り,生活の中でいかに活用しうるのかということを考えるまでの一連の流れを体験的に学習した。電力の発電から使用までの流れを通して学習することで,生徒のエネルギー変換の技術に関する知識・技能やそこへの興味が高まる傾向があるということが示唆された。しかしながら,自転車のハブダイナモでは発電量が微小であることから,生活に活用できうる範囲がLEDに限定されてしまい,他のクリーンエネルギーを活用した解決策に流れがちになるということも明らかになった。 今後は,自転車のハブダイナモに限らず,より大きな電流量を発電することができるダイナモの活用にも目を向け,さらに教材研究を深めたいと考えている。
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