研究課題
奨励研究
走査型電子顕微鏡は,二次電子検出器を用いた表面形態の観察に加え,反射電子検出器やエネルギー分散型X線分析装置(EDX)を用いることで,試料の構成元素の判別やその組成比を評価することができる。これまで構成元素を「見分けられる」ことに着目した実習を行ってきたが,本研究では,反射電子検出器とEDXとで,どのような構成元素の違いは見分けにくいのかを学ぶことができる「見分けられない」ことに着目した実習教材の検討を行う。
SEMにおける教育教材開発
電子顕微鏡観察に限らず,工学の観点から,一方向の視点である「見分けられる」ことを学ぶと同時に,もう一方向からの視点で「見分けられない」ことを学ぶ,つまり,どの程度の差であれば判別可能で,どの程度の差は判別できないのか,体験を通じて学ぶことには大きな意義がある。本研究によって得られた教材による新たな気づきが得られる技術者育成は,電子顕微鏡を活用する全分野の技術者育成に資するものであり,金属加工・表面処理が盛んな地域機産業の活性化にもつながることが期待される。