研究課題
奨励研究
本研究では、研究遂行者が開発した工具先端付近をミクロンオーダーでプログラム制御する位置制御バニシング加工法をプリハードン鋼に適用し、本加工法が金型仕上げ工程における表面性状を向上させる手法として有用であることを示した。また、3種類の超硬工具を用いて比較試験を行い、各々の工具が与える工作物表面特性を調査した。その結果、摩擦係数の小さいDLCコーテッド超硬工具を適用した工作物において表面性状の向上が顕著であった。バニシング加工において、工具の表面特性が工作物の表面性状に影響を与えることがわかった。
生産工学、加工学
金型は切削型工作機械で形状創製した後、仕上げ工程において手仕上げによる研磨加工が行われてきた。この加工方法は属人的であり、金型精度のバラツキ要因になっている。対象物の表面性状の向上に効果があるバニシング加工を金型仕上げ工程に適用すれば、形状創製工程から仕上げ工程まで同一機械上で一貫加工が可能となり、金型精度は安定し,金型製造の自動化に貢献できる。本加工法は、一般的な切削型工作機械で実現可能であり、表面特性が求められる様々な工業製品への適用が期待できる。