研究課題
奨励研究
害獣の種類(存在)を識別する手法として熱画像を用いた画像解析の有用性について、熱画像と可視光カメラ画像、それぞれの適応度を比較して検証した。このとき、目標をシカと定めてシカの特徴を有した対象領域を設定し学習させることで、可視光カメラ画像の適応度は0.767、熱画像は0.871と高い値を示した。また、熱画像の優位性が失われる昼間に撮影した画像で比較したが、熱画像は輪郭を捉えることが容易であるため、適応度で比較すると可視光カメラ画像より0.104高い値を示した。
電気エネルギ、センサ、画像解析
鳥獣害被害対策として夜間に田畑を見回る必要があるなど、その労務への負担感から、営農意欲が減退し、耕作放棄地が増加するなど農作物の被害額以上に地域社会の深刻な課題となっている。本研究の成果により、無人で田畑を監視し、鳥獣を撃退することが出来れば、営農意欲の向上にも繋がるため社会的意義が高い。さらに、畜産農家や動物園の飼育員の経験を学習させて、動物の行動変化から病気の兆候を早期に検知するAIシステムを開発する等、害獣対策に限定せず、発展・活用できる。