1研究目的 土系舗装は自然に近い風合いを持ち、適度な弾力性、衝撃吸収性を備えている.また,透水・保水性を有し舗装体内に蓄えた水分の蒸発により,路面温度の上昇を抑制し,ヒートアイランド現象の緩和・軽減に寄与する点から歩道や園路などに適用されている.木質バイオマスは再生可能エネルギー源として位置づけられ,全国で木質バイオマス発電所が計画,建設,運転されている.発電所から発生する燃焼灰の多くは産業廃棄物として処分されているが,この燃焼灰の有効的利用方法を見出す必要がある.燃料となる木質チップの原料の多くは林地残材(山に放置された未利用の木材)であるため,林地から林地への還元として,林道整備を目的とした土系舗装の土質材料として用いる.舗装体の強度特性,透水・保水特性,冬季の凍害特性等の性能評価を行い,土系舗装材料として有効活用できる可能性について検討を行った. 2研究方法 木質バイオマス燃焼灰と真砂土を土質材料,固化材は酸化マグネシウム系固化材,凝集剤は無機質系凝集剤を使用する.配合量を定量的に変化させ,圧縮強さ2N/m㎡,透水係数×10-3cm/sec,保水量3kg/㎡(舗装厚さ5cm)を目安とし,適量配合を見出す.舗装厚さ3cmの試験施工を行い,硬度計を用いて,表面劣化診断を行った. 3研究結果 土壌硬度30㎜以上,透水係数×10-3cm/secの範囲内であり,顕著な表面劣化は見られなかった.結果より,地盤材料として適用可能である.
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