幼児期の子供達は、好奇心旺盛で身の回りの物全てに関心・興味を持って行動する時期である。しかし、時には危険だと分からずに行動してしまい自分の身の回りにどのような危険が潜んでいるかまだ分からず判断できない時期でもある。勿論、学校現場でも安全教育は行われているが、子供の事故・トラブル等を完全に防ぐことはできない。そこで、保護者による家庭(子育て現場)・日常生活での安全教育の指導・対策も重要視されている。本研究では、自立対話型の家庭用ロボットを活用して、安全教育についての知識・教養を学びながら、子供の安全意識・危機回避力を高め、且つ家庭内の安全教育ついてのルールを作り上げていく安全教育教材支援システムを開発・検証することを目的としている。本研究では、まず、安全教育内容を「心・モラル・道徳心」「危険な場所と状況把握」「安全知識と危険察知力」「回避行動と危険対応力」の4つの領域に分類し、相互作用を図りながら、子供に身につけてもらいたい安全意識・危険回避力を高めるような組み合わせや一方的な知識の偏り・欠落がでないバランス等を調査した。そして、調査した教材内容を家庭用ロボットに組み込む際は、子供の知的好奇心や学習意欲を低下させないような解説・例題等の安全分野の設計と様々なロボット制御を取り入れながら、子供(被験者)による実証実験を行った。家庭用ロボットを用いることで、スムーズ且つ有効的にシステムを構築・検証することができている。更に、本研究システムは、家庭用ロボットの機能を活用することで、家庭内でもスムーズ且つ有効的に専門的な知識や教養(今回は子供の安全教育)を学ぶことができ、子供の知的好奇心や学習意欲の向上も図ることができるスタイルであることを検証した。今後は、他の専門分野でも本研究システムの形式を導入し検証することを計画しており、1つのモデルケースをして実用化が期待できると考えている。
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