研究実績の概要 |
研究目的:本研究の目的は新生児用人工呼吸器回路内温湿度の最適化である。新生児の集中治療では人工呼吸器回路内の結露や加湿不足が気道の繊毛運動阻害、無気肺、気道閉塞などの肺障害を招き致命的となる。現状の加温加湿器は回路上2箇所の温度のみを考慮した機構であり、人工呼吸器の条件や保育器の設定温度などの温湿度変動因子を考慮されていない。このため吸気ガスをBTPS(Body Temperature and Pressure, Saturated)状態に保てていない。本研究では吸気ガス温湿度の最適化を目的に、非接触で測定した気管チューブ外部温度から内部温度を推定する方法を確立する。 研究方法:保育器内に設置したIRT(Infrared Thermography Camera)で気管チューブ表面温度を測定し、熱電対で測定したチューブ内部温度との関係を解析する。保育器や人工呼吸器など臨床で想定される幾つかの条件で測定を行い、チューブ内部温度に影響を与える因子を解明する事で推定式を導く。 研究成果:IRTで測定した気管チューブ外部温度から内部温度を推定する式を導いた(近位側:R2Adj=0.963、遠位側:R2Adj=0.982)。
|