農林水産省の掲げるみどりの食料システム戦略に挙げられるように我が国における有機栽培推進は急務であり、主食であるコメの有機栽培面積拡大は避けられない課題である。その中でも有機栽培水田を長期継続した際に強害雑草として優占化しやすいクログワイの抑制は大きな問題であり、本試験において15年の長期に渡り有機栽培水田として厳密に管理されてきた東北大学川渡フィールドセンター試験圃場を用いた抑草試験結果は、貴重な知見であり学術的意義を有すると考える。本試験の「冬期湛水田の乾田化によるクログワイ抑制の試み」は明確な効果は得られなかったが、そのことも知見として、今後の雑草抑制技術開発に生かすことができると考える。
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