睡眠は脊椎動物に普遍的に見られる生理現象であり、その制御は脳によって行われることが広く認識されている。しかし、脊椎動物は複雑な脳構造を有することから、睡眠研究では常にこの複雑性と対峙する必要がある。そこで、脳を持つ以前の刺胞動物を用いることで、より簡便に睡眠の基本原理を理解できるのではないかと考えている。本研究成果は、睡眠の進化的な起源を理解する上での重要な手がかりとなり、それをもとにマウスやヒトにおける睡眠研究に展開することで、医学的な貢献が期待できる。また、本成果は睡眠に関する基礎知識を拡充するだけでなく、睡眠障害や関連疾患の治療法や予防策の開発にも繋がる可能性も秘めている。
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