フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病の中枢浸潤に対するポナチニブ(PONA)の有用性の検討を行った。PONAが最高血中濃度に到達する内服後4時間時点の血中濃度に対する髄液中濃度の比率(CSF4/C4)は、PONAの血液脳脊髄関門移行に関与する薬物トランスポータであるP糖タンパクをコードする遺伝子: ABCB1の多型により差が認められ、変異アレルを有する群が野生型群に比べ有意に高かった。従ってPONAの中枢移行にはP糖タンパクが重要な役割を果たしており、その遺伝子多型が中枢病変へのPONAの有効性に寄与する可能性が示唆された。
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