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2022 年度 実績報告書

クレアチニンの尿細管分泌阻害剤投与時の腎機能評価としてのシスタチンCの有用性

研究課題

研究課題/領域番号 22H04292
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

秀田 恭子  兵庫医科大学, 医学部, 薬剤師

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2023-03-31
キーワードクレアチニン / シスタチンC / ビクテグラビル
研究実績の概要

抗HIV薬であるビクテグラビルはクレアチニンの尿中への分泌を阻害し、血清クレアチニン値の上昇を引き起こすため、クレアチニンに基づく推算糸球体ろ過量(eGFRcreat)は見かけ上小さく算出される。一方、シスタチンCは尿細管分泌をうけないため、シスタチンCに基づく推算糸球体ろ過量(eGFRcys)はビクテグラビルの影響を受けないことが予想されるがビクテグラビル服用患者におけるeGFRcysについてのデータはない。そこで、ビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビン開始前のeGFRcreatとビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビン開始後のeGFRcreat、eGFRcysを比較することで、ビクテグラビルがこれらへ及ぼす影響およびビクテグラビル服用患者における腎機能評価時のシスタチンCの有用性について検討するすることを目的とした。
2019/4/1から2022/6/30までに兵庫医科大学病院においてビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビンを開始した治療未経験者34名を対象とした。ビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビン開始前のeGFRcreat(平均±標準偏差)は98.1±14.8mL/min/1.73m2であった。ビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビン開始後のeGFRcreatは86.7±13.6 mL/min/1.73m2と治療開始前に比べて有意に低下していた(p<0.001)。一方でビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビン開始後のeGFRcysは98.6±18.8 mL/min/1.73m2と治療開始前に比べて有意な差は認めなかった(p=0.896)。
以上より、ビクテグラビル/テノフォビルアラフェナミド/エムトリシタビン開始後の腎機能評価においてeGFRcysを用いて評価することの有用性が示唆された。

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公開日: 2023-12-25  

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