この研究では、近年開発された抗癌剤である免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の投与が、オピオイド(痛み止めの一種)の痛みを抑える効果に与える影響を調べた。当院において、オピオイドを服用中に抗がん剤治療が始まった患者を対象に、治療開始前後におけるオピオイドの1日あたりの投与変化量を調査した。対象患者をICI投与群および非投与群に分類し、統計学的な解析を行い比較したところ、投与変化量はICI投与群25.0 mg、非投与群15.0 mgであり、ICI投与群において有意に大きかった。 以上より、ICIの投与がオピオイドによる痛みを抑える経路に影響を与え、痛みの悪化に関わっている可能性が考えられた。
|