本研究は、グリコペプチド感受性Enterococcus faecium(GSEF)菌血症の治療における、テイコプラニン(TEIC)の有効性と安全性をバンコマイシン(VCM)と比較して評価することを目的とした。TEICはVCMと比較して有効性において非劣性、急性腎障害(AKI)の発生割合において優性であるという仮説の下、傾向スコアを用いた後ろ向き非劣性コホート研究を実施した。その結果、TEICはVCMと比較して非劣性であり、AKIの発生割合が有意に低いことが明らかになった。これらの知見から、TEICはGSEF菌血症の治療において、安全性と有用性を兼ね備えた代替薬としての可能性が示唆された。
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