研究成果の概要 |
頭頸部癌で喉頭全摘出術を受けた患者を対象に,自分の声に類似した合成音声を作ることができるスマートフォンアプリケーションを用いて,音声合成アプリと電気式人工喉頭使用の自覚的評価を行った.10例中4例が音声合成アプリを活用でき、合成音声使用に関するアンケートでは,高い満足度を示した.しかし,機器の操作性には不満を示し,QOL評価では,他の代用音声を用いた過去の報告より,新しい代用音声を用いた方がわわずかに低下した.音声合成アプリに対する期待度は高いが,患者のニーズに答えるためには,機器の開発や使用をサポートする言語聴覚士の増加が必要である.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
喉頭摘出術を受けた患者は自分の声を失うためQOLが大きく低下する.術後の代用音声は,電気式人工喉頭や食道発声などいくつかあるものの,術前の声質とは大きく異なる.近年,音声合成技術の発達により,録音した音声とAIを用いて自分の声に類似した合成音声を作ることができるようになった.この合成音声技術を新しい代用音声として用いることができるか,患者の自覚的評価から得られた知見を示すことで,新しい代用音声の開発や社会の認知度が上がることが期待できる。
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