研究課題
奨励研究
胆道閉塞を有するワルファリン服用患者44人において、胆道閉塞前と胆道閉塞時でワルファリン投与量に有意差はなかった。PT-INRは、胆道閉塞前に比べ胆道閉塞時のPT-INRは有意に延長した。ΔPT-INRは、Δ総ビリルビン(ΔT-Bil)、Δ抱合型ビリルビン(ΔC-Bil)と強い正の相関を示した。さらに、重回帰分析において、従属変数ΔPT-INRに対し、ΔT-Bil、ΔC-Bilが有意な変数となった。
医療薬学
胆道閉塞時にワルファリン投与量は変化なく、PT-INRの顕著な延長をきたした症例がしばしば観察された。本研究よりワルファリン服用患者において、胆道閉塞時のビリルビン値の上昇とPT-INR延長の関連性が示された。ワルファリン投与量が安定している患者であってもビリルビン値が著しく上昇する胆道閉塞を発症した場合、早期にPT-INRを測定することがより安全なワルファリンの投与につながると考える。