肺移植後はサイトメガロウイルス(CMV)感染のリスクが高いため、バルガンシクロビル(VGCV)の投与が必要とされるが、重篤な白血球減少によりVGCV投与の継続が困難となる場合がある。本研究では、VGCVの活性代謝物であるガンシクロビル(GCV)の血中濃度と副作用との関連を調査した。その結果、重篤な白血球減少を予測するGCV血中トラフ濃度は872.0 ng/mL以上であることが判明した。また、母集団薬物動態解析により再肺移植とクレアチニンクリアランス(Ccr)がGCVクリアランスの共変量として抽出された。再肺移植やCcrの低い患者ではTDMに基づいたVGCV の個別化投与設計が有用と考えられた。
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