トリプルネガティブ乳癌(TNBC)の診断治療において、術前針生検組織の特徴から術前化学療法(NAC)の反応性や予後を予測できる可能性がある。特にアンドロゲン受容体陽性かつ腫瘍浸潤リンパ球低値のTNBCにはトリプルネガティブアポクリン癌(TNAC)が含まれやすく、これらは術前化学療法で癌が残存しやいすことが予測される。TNACの場合、通常用いられるNACのレジメンの減量やNACを行わないことを考慮してもよいかもしれない。さらに、15-PGDHやACSM1染色のような有用なマーカーの援用によって、将来的にTNACの診断再現性の向上につながることが期待される。
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