本研究において、自己抗体がcTnI-C複合体に結合するとcTnIの測定値、cTnI-T-C複合体に結合するとcTnIとcTnTの測定値に影響している可能性が示唆された。また、cTnIに対する自己抗体がcTnTと比較して高頻度に認められることが明らかになった。しかし、自己抗体の有無でcTnI/cTnT比に統計学的な有意差は認められなかった。 従来から自己抗体が両者の測定値に起因していると考えられていたが、本研究の結果は、自己抗体の存在が必ずしもcTnIとcTnTの測定値の差を増大させるものではないことを示唆している。
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