当科では2020年度より軟骨伝導補聴器外来を開始し、従来の補聴器の装用が困難であった患者に対し、軟骨伝導補聴器の調整、装用指導などを行っている。 本研究では、軟骨伝導補聴器を装用することにより、一側性難聴患者のことばの聴取がどの程度改善するものか、難聴耳側からの音提示によることばの聴取検査を装用下、非装用下とそれぞれ行った。 装用者5名に対し検査を施行することができたが、今回の調査では装用下、非装用下での聴取成績はほぼ同等(いずれも100%に近い明瞭度)であった。その原因としては検査室が静寂な環境であり、提示された語音は非装用下であっても良聴耳じゅうぶん聴き取れたことが考えられる。
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