研究実績の概要 |
研究目的:本研究の目的は[第1研究]社会参加指標(Community Integration Questionnaire; CIQ)による都市部在住高齢者の社会参加の特徴の把握と社会参加制約の基準値を算出すること、[第2研究]社会参加制約の有無で心身機能の特徴に違いがあるかを検証することである。 研究方法:研究対象は高齢者福祉センターの企画する体力測定会に参加した都市部(港区、江東区)で自立した生活を営む65歳以上の高齢者とした。[第1研究] 社会参加の指標としてCIQを、社会的虚弱の指標としてSocial frailty indexを調査した。社会参加の特徴はCIQのサブカテゴリーである家庭統合、社会統合、生産性に分け社会参加状況の特徴を調査した。また,Social frailty indexを外的基準として、CIQの基準関連妥当性の検証し、基準値を算出した。[第2研究] 社会参加の指標としてCIQ、心身機能として握力、快適歩行速度、MoCa-J、舌圧、吸気筋力を調査・測定し、社会参加の高低で分け、その程度別で心身機能にどのような違いがあるか検証した。 研究成果:[第1研究]対象者は194名(年齢76.3[5.5]歳、女性85.1%)であった。相関分析の結果、social frailty screening indexとCIQ合計点、CIQの下位項目である家庭統合、社会統合、生産性、社会統合と生産性の合計で軽度から中等度の相関関係が認められた。また、社会的虚弱を判別するためのカットオフ値はCIQ合計点で18/19点であった。[第2研究]対象者は408名 (年齢77.2[5.7]歳、女性87.5%)であった。第1研究で算出されたCIQのカットオフ値を用いて分類した2群の群間比較では、握力、快適歩行速度に有意差を認めたものの、MoCa-J、舌圧、吸気筋力は有意差を認めなかった。
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