研究課題
奨励研究
造血幹細胞移植患者の移植片対宿病を予防・治療するためにステロイドが使用される.ステロイドによる筋力や立ち上がり・段差昇降能力に及ぼす影響を調査した.結果は造血幹細胞移植の前後で筋力や立ち上がり・段差昇降能力が有意に低下した.また,ステロイド総累積投与量と立ち上がりや段差昇降能力は負の相関を認めた.以上のことから,ステロイド投与量が多い症例ほど立ち上がりや段差昇降能力が低下する可能性が示唆された.
リハビリテーション
現在までにステロイド総累積投与量と筋力とが負の相関を認めた報告はあるが,ステロイド総累積投与量と立ち上がりや段差昇降能力を調査した報告はなく新規性がある.ステロイド投与量が多い症例では立ち上がりや段差昇降能力が低下することが予測されるため,早期から立ち上がりや段差昇降の練習,下肢筋力強化を実施する動機付けになる可能性がある.