研究課題
基盤研究(S)
本研究はニュートリノ放出を伴わない2重ベータ崩壊の探索で世界最高感度を持つKamLAND-ZEN実験装置の改良を行い、更なる感度向上を目指す計画である。シンチレーション光撮像装置の導入による粒子識別能力向上と、新型電子回路による時間分解能向上と不感時間の削減により、長寿命核の崩壊に由来する背景事象の2桁削減を目指している。
ニュートリノ放出を伴わない2重ベータ崩壊の探索は、ニュートリノのマヨラナ性及び質量の絶対値測定に結び付く、素粒子物理学の最重要課題の一つである。本研究が行うKamLAND-ZEN実験装置の改良により、探索の感度を30 meVまで高めて、逆階層型シナリオの予測範囲をほぼカバーすることが期待される。