研究課題/領域番号 |
22H04941
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
東城 順治 九州大学, 理学研究院, 教授 (70360592)
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研究分担者 |
西口 創 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (10534810)
武藤 亮太郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 准教授 (50392147)
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研究期間 (年度) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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キーワード | ミューオン / 荷電レプトン / 世代混合 / ミューオン-電子転換過程 |
研究実績の概要 |
COMET 実験の計画全体としては、Phase-α を 2023 年 2, 3 月に遂行した。初めての μ 粒子の同定に成功し、実機仕様のストロー飛跡検出器 1 台を動作させ、実機の量産に向けて有益な知見を得ることができた。 ストロー飛跡検出器は、最終的に5台必要である。ストロ ー全数の製作を完了し、圧力容器は 4 台目まで完成して、それぞれでストロー実装、ワイヤー実装が進行している。読み出し回路は、Phase-α で得た知見に基づき、量産に向けた評価が進行中である。並行して、必要とする電子回路部品、 ASIC, FPGA を確保し、量産準備が進行中である。 ECAL は、最大で 512 本の LYSO 結晶を用いる。結晶の 92%, APD の 84% の製作を完了した。APD 読み出し基板は、一部の電子回路部品を修正し、量産の準備が進行中である。前置増幅回路は試作・評価を完了し、部品調達が進行中である。波形読み出し回路・スローコントロール用中間基板・高電圧印加基板・フィードスルー基板など、全数の製作を完了した。支持構造体は、全てのモジュールを設置する容器、容器内でモジュールを固定する構造体の製作が完了した。 加速器改良では、extinction 性能を向上させるため、Phase-α で入射キッカーが作る反射波の大きさ・タイミングを定量的に測定した。半導体スイッチを放射線量の多いトンネル内ではなく、電源棟に設置した場合の反射波の低減の可能性について、回路シミュレーションを用いて検討を進めている。大強度化に向けた新型セプタムの開発では、Phase-α でのビームプロファイル測定から、必要なセプタム口径を推定した。セプタム導体の設計と並行して、現行の電源で励磁可能な大口径セプタムの検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COMET 実験の計画全体としては、パルス μ 粒子ビームラインの建設状況、2 次粒子捕獲ソレノイドの改修等の状況から、Phase-I は 2026 年度に開始することを計画している。 Phase-α は 2023 年 2,3 月に遂行して、初めての μ 粒子の同定し、ストロー飛跡検出器の量産に向けた知見を得ることができ、大部分の目的を達成した。 StrECAL 検出器のストロー飛跡検出器と ECAL は、実機建設に向けた量産を開始している。 一部の開発要素を残しつつも、その試作・評価は進行中であり、実機建設に向けて着実に進展している。 加速器改良では、多くの知見を Phase-α で得ることができ、入射キッカーと新型セプタムの開発が進展した。
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今後の研究の推進方策 |
Phase-I に向けた StrECAL 検出器の建設を継続して遂行する。並行して、検出器ソレノイド内へ設置するための詳細設計と手法を検討する。検出器ソレノイド内へ、まずストロー飛跡検出器を設置し、ガス配管・ケーブル・読み出し回路等の実装、次に、ECAL をビーム軸下流側から挿入するため、設置を 実現するための治具を製作する。Phase-I でビーム計測を遂行するため、現実的なモンテカルロ・ シミュレーションにより、高感度検出器として期待される性能の評価も行い、Phase-I の探索で要求される背景事象の評価性能を研究する。
加速器改良では、入射キッカーへの半導体スイッチの導入、広いギャップをもつ新型セプタムの開発を引き続き進める。Phase-α における 8 GeV 陽子の遅い取り出しビームの時間構造が重要であることが理解でき、加速器光学に対するビーム取り出し量のフィードバックアルゴリズムの改善を進める。
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