本研究は、脂質の四大機能のうちのバリア機能について、多機能性脂質であるスフィンゴ脂質の骨格をなすセラミドの役割の解明を目指すものである。特に、生体バリアのうち病原菌や有害物質の透過を防ぐ透過性バリアと神経インパルスの漏電を防ぐ絶縁バリアに焦点を当て、生理機能、産生・分解の分子機構、病態との関わりについての解明を目的としている。具体的には、網羅的なセラミド測定系の拡大と多様な長鎖塩基分子種の産生機構の解明をはじめ、表皮における結合型セラミドの分子実態解明や、臨床検体を用いた角質層セラミドのプロファイリングを進めるなど7項目を掲げている。
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