免疫システムはウイルス等の病原体を特異的に排除するメカニズムとして進化したが、一方で自己免疫疾患や、感染症重症化の原因となる。一部のカテゴリーの自己免疫疾患は、感染症を契機に発症することが知られている。本研究は、病原体感染と免疫異常の連関を統合的に理解するために、ウイルス等の病原体と宿主免疫との相互作用を解明することを目指すものである。具体的には、ペア型受容体を軸にした宿主―病原体相互作用に関するこれまでの知見を基に、MHC(主要組織適合性複合体)クラスII分子インバリアント鎖の機能、自己抗体と重症化、自己免疫応答の生理機能等、多角的なアプローチにより、感染症で生じる免疫異常の原因解明を試みる。
|