研究課題/領域番号 |
22H04990
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石川 俊平 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (50418638)
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研究分担者 |
大島 貴 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, 部長 (10448665)
牛久 哲男 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60376415)
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研究期間 (年度) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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キーワード | 胃癌 / 人工知能 / 病理画像 / ゲノム |
研究実績の概要 |
ゲノム情報を用いたがんの多様性の解明は進む一方で、がんの分類・診断に用いられてきた病理組織画像などの空間情報は構造化(数値化)が非常に難しく、その結果、がんの病理組織情報とゲノム情報が定量的に統合されず生物学的・臨床病理学的多様性の理解が十分ではない。本研究では、人工知能技術を用いて胃癌の病理組織情報を構造化し、それらをゲノム情報と定量的に統合することで多様性の新たな全体像を定義することを目的とする。生物単位で意味を捉えるニューラルネットワークを構築してその空間配置の抽象化を行うとともに、シングルセルゲノミクス等との比較を通じて、細胞間相互作用と組織構築の関係性を捉える。 本研究の前半は胃癌のゲノム情報と病理組織情報のデータ取得及び、病理組織像の構造化技術の高精度化を図る。後半は統合解析による胃癌の多様性を表現する方法を確立するとともに、シングルセルゲノミクス等による細胞間相互作用と組織像との相関解析や生物学的意義づけを行う予定である。令和4年度は、組織染色には施設や日時によって色調やフォーカスなどが変化するがそれらによって結果が変動することのない画像解析アルゴリズムを生成モデル等の検討を行なった。また免疫染色との対応づけによって組織を構成する各細胞の位置関係などの生物学的意味を抽出する人工知能技術の開発を行なった。これまで取得したもしくは公共データにある胃癌のゲノミクス情報について適した条件で解析を行うともに、胃癌の病理組織スライドをスキャナで読み込んで画像データ取得を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
病理組織スライドやゲノミクスデータについては解析に適さないものが一部見られたものの、特に現時点で問題なく進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
画像解析アルゴリズムを前年度より開発していたが外部のデータにより検証を行うことで高精度化を計る。免疫染色との対応づけによって組織を構成する各細胞成分を特定する人工知能技術は用いる抗体の選定やシグナルの判定アルゴリズム等でさらなる高精度化を計るとともに、high-plex ISHなど新たな技術の検討を引き続き検討していく。
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