研究課題/領域番号 |
22H05001
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研究機関 | 国立情報学研究所 |
研究代表者 |
河原林 健一 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (40361159)
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研究分担者 |
垣村 尚徳 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (30508180)
小林 佑輔 京都大学, 数理解析研究所, 准教授 (40581591)
吉田 悠一 国立情報学研究所, 情報学プリンシプル研究系, 教授 (50636967)
Avis David 京都大学, 情報学研究科, 非常勤講師 (90584110)
黒木 祐子 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 助教 (50889095)
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研究期間 (年度) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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キーワード | グラフ / アルゴリズム |
研究実績の概要 |
RobertsonとSeymourは「Graph Minors」という共通のタイトルを持つ一連の論文(以下GM)で(向きがない)グラフの「グラフマイナー理論」を構築した。(向きがない)グラフ上で定義された「木幅」に関する研究は、80年代の離散数学で最も深淵とされているこの「グラフマイナー理論」の発展とともに、近年のアルゴリズム分野・離散数学分野での中心的課題となってきた。しかしながら、グラフマイナー理論の向き付きグラフへの展開は、長年未解決であった。その第一歩として、Kreutzer氏とPIは、1990年代中盤にReed, Robertson, Seymour, Thomas などの著名な数学者によって予想された「向き付きグラフの木幅とグリッドマイナーのMin-Max 予想」を2015年に完全解決した。この結果をさらに拡張し「グラフマイナー理論」の向き付きグラフ(有向グラフ)への展開を行った。 具体的には、グラフのパッキングとカバーリングと、木幅、そしてグリッドマイナーが密接に関係していることが、グラフマイナー論文(GM V)で指摘されていた。本研究では、この関係を有向グラフに拡張することに成功している(SODA’23)。 またグラフ理論において非常に重要な不変量である「木の深さ」という概念に対する結果(1)、グラフのカバーリングに関する結果(5)は、数学界全体にも大きな影響を与える貢献である。実際、J. European Math Society, J. London Math Societyは、数学全体においてのトップジャーナルと認識されている。 さらに(2)グラフ理論における四色問題を拡張したHajos予想の解決を目指し少数の頂点を根とするグラフ細分の構造的特徴付けを与えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の想定進捗以上の結果が出ているため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究提案の中心的課題である有向グラフマイナー(DGM)」に関して述べる。無向グラフのグラフマイナー(GM)論文自体は、1から23まであり、7までと、13 はすでに本研究のグループが解明した。本研究期間終了までに 23 まですべての仕事が完了すると考えている。具体的には、無向グラフの「グラフ構造定理」を有向グラフに拡張(GM17までの成果)することを目標としている。有向グラフ特有の困難性を、SODA’23で開発された手法を駆使して、最終的には有向グラフの特徴に合わせた構造解明を行う。
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