研究課題/領域番号 |
22H05004
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
市井 和仁 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (50345865)
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研究分担者 |
樋口 篤志 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 准教授 (90324384)
入江 仁士 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (40392956)
楊 偉 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教 (80725044)
山本 雄平 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教 (30845102)
吉岡 博貴 愛知県立大学, 情報科学部, 教授 (40332944)
小畑 建太 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (80758201)
松岡 真如 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50399325)
山本 浩万 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 上級主任研究員 (90344267)
奈佐原 顕郎 (西田顕郎) 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (40312813)
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研究期間 (年度) |
2022-04-27 – 2027-03-31
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キーワード | リモートセンシング / 陸域生態系 / 炭素循環 / 静止気象衛星 |
研究実績の概要 |
今年度は、主にひまわり8号データを陸面モニタリングに適用できるように、地表面反射率、地表面温度などの基本的な物理量の推定を中心に研究を推進させた。ひまわり8号では、大気上端での観測値が提供されており、大気の影響を取り除くことによって、地表面の情報を推定することができる。静止衛星の大気補正に関しては、放射伝達コード6SVを選定し、ひまわり8号のみならず、他国の静止衛星についても簡単な変更のみで対応できるように手法とソフトウェアの開発を行った。その一方で、地上観測ネットワークデータの調査を行い、大気観測としてSKYNET,Aeronet観測網、陸面観測としてPhenological Eyes Network (PEN)やAsiaFlux/JapanFluxなどのデータセットの整備を進めた。
一方で、すでに開発が進んでいた地表面温度については、地表面温度の日内変化情報を用いた植生の乾燥ストレスの彗星手法の試行を行った。東アジアの4観測サイトを用いた。温度の日変化については、DTC (Diurnal Temperature Cycle)モデルを用いてフィティングを行い、温度の日較差などの情報を推定した。2018年の猛暑時に着目したところ、地表面温度の日較差は日光合成量との負の相関をしめし、温度差が大きい(乾燥度が高い)ときに光合成が小さくなることを示した。その他、植生指標を計算し、地上観測の植生フェノロジーと比較し、ひまわり8号では、従来広く用いられたMODISセンサの推定に比較して、高い精度で展葉・落葉の時期を推定することができた。さらにひまわり8号データを用いた光合成量の推定や東南アジアの熱帯雨林の季節変動モニタリングなど、ひまわり8号を用いた陸域モニタリングを推進させた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って、おおむね順調に進捗させることができた。
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今後の研究の推進方策 |
まずは、ひまわり8号データを対象に、陸域モニタリングを可能とする地表面反射率データセットの構築を完成させる。ソースコードの整備、入力データセットの選定の完了、SKYNETやAeronet観測ネットワークデータを用いた大気パラメータの検証、計算した地表面反射率の検証方法の確立を完成させ、次年度中には論文を投稿する。その一方で、構築した手法を用いて、韓国・米国など他国の静止衛星データへの適用を試みる。また、陸面モニタリングを推進するために、要面積指数、光合成量、蒸発散量などの物理量プロダクトを構築する。さらには熱赤外のデータ(地表面温度など)を用いた熱波などによる成長のダメージの早期検出にも取り組む。
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