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2022 年度 実績報告書

熱電効果における多自由度系の相関効果についての理論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22J22111
研究機関東京大学
特別研究員 大西 由吾  東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
研究期間 (年度) 2022-04-22 – 2023-03-31
キーワード熱電効果 / 光起電力効果 / 非線形応答 / 量子位相
研究実績の概要

昨年度から続くいくつかの研究に加えて、さらに関連した光起電力効果に関する研究を実施した。
昨年度から続く研究としては、Shift heat currentに関する研究を行った。本研究では、光起電力効果の機構の一つとして近年盛んに研究されているShift currentに着想を得て、Shift currentの熱流版ともいえる光誘起のDC熱流(Shift heat current)を理論的に提案した。Shift currentは、電子のバンド構造の幾何的な量(Shift vector)によって特徴づけられ、光と電子の幾何的性質の組み合わせにより生み出されるDC電流といえる。本研究では、光と電子の幾何的性質によって、DC熱流を制御することができることを示した最初の例である。またさらに、フォノン励起による光電流に関する実験の先行研究に触発され、我々はフォノンとの相互作用を利用することで、フォノン励起を通じて電子のエネルギースケールでDC熱流を誘起できることを示した。電子とフォノンの相互作用により生ずる新しい熱流輸送現象を提案できたといえる。
先行研究やそれに触発された上述のShift heat currentの研究結果から、フォノン励起を利用すれば、必ずしも電子の実励起を起こさずとも電流や熱流が生じえることがわかった。そこで次に、純粋な電子系において、電子の実励起を伴わないプロセスで光電流を誘起できるか、という問題について取り組んだ。我々は、電子系のバンドギャップより小さい周波数を持つ光を照射した場合の、電子系の有効ハミルトニアンを導出し、それをもとに実励起なしの光電流が生じるための条件を議論した。
また、光起電力効果に関連する非線形応答を用いた整流効果に関する共同研究もスタートした。本研究については本プロジェクト終了後も継続する予定である。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [国際共同研究] Massachusetts Institute of Technology(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Massachusetts Institute of Technology
  • [雑誌論文] Theory of shift heat current and its application to electron-phonon coupled systems2022

    • 著者名/発表者名
      Onishi Yugo、Morimoto Takahiro、Nagaosa Naoto
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 106 ページ: -

    • DOI

      10.1103/PhysRevB.106.085202

    • 査読あり
  • [学会発表] Theory of shift heat current and its application to electron-phonon coupled systems2022

    • 著者名/発表者名
      Yugo Onishi, Takahiro Morimoto, Naoto Nagaosa
    • 学会等名
      29th International Conference on Low Temperature Physics

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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