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2022 年度 実施状況報告書

哲学史的連関におけるレヴィナス哲学とその現代的意義の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00039
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

村上 暁子  慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (10823734)

研究分担者 平石 晃樹  金沢大学, 学校教育系, 准教授 (00786626)
平岡 紘  流通経済大学, 流通情報学部, 准教授 (00823379)
馬場 智一  長野県立大学, グローバルマネジメント学部, 教授 (10713357)
服部 敬弘  同志社大学, 文学部, 准教授 (10770753)
小手川 正二郎  國學院大學, 文学部, 准教授 (30728142)
渡名喜 庸哲  立教大学, 文学部, 准教授 (40633540)
長坂 真澄  早稲田大学, 国際学術院, 教授 (40792403)
藤岡 俊博  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (90704867)
佐藤 香織  神奈川大学, 国際日本学部, 非常勤講師 (50839404)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワードレヴィナス / 哲学史
研究実績の概要

本研究課題は、研究代表者の産前産後の休暇・育児休業の取得に伴い、2022年8月11日から2024年3月31日まで研究を中断している。2022年度の研究期間は4月から8月までの4ヶ月であったが、以下に示す一定の成果を挙げることができた。
まず、『レヴィナス読本』を出版することができた。本書は、研究代表者・分担者が所属するレヴィナス協会が編集主体となり執筆を進めてきた。本書所収の論考のうち、本研究課題に関わる内容は、特に第Ⅳ部「開かれるレヴィナス」に集中的にまとめられている。そのうち、哲学史的な連関に関する成果としては、古代から近代の哲学史、倫理学、現象学、フランス思想、ユダヤ思想、キリスト教などとの関連が簡潔に明らかにされた。現代的意義については、教育、政治学、社会科学、ポストコロニアリズム、フェミニズム、生殖論、福祉、医療、芸術/音楽との関連からその見取り図が示された。本書は主に初学者向けに執筆されたが、本書出版により、レヴィナス哲学の哲学史的連関や現代的意義についての研究の基盤を構築することができた。
上記の現代的意義に関わる領域のうち、特に教育との関連においては、第五回レヴィナス協会大会シンポジウム「教育と対話 レヴィナスとローゼンツヴァイクから出発して」において、研究分担者2名による発表がなされた。また、ジャンケレヴィッチとの関連や、経験概念の変容についての成果発表が招待講演として行われた(後者については国際学会での発表である)。さらに、近年の日本語による優れたレヴィナス研究に関する書評などを『レヴィナス研究』(4号)に複数掲載した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究課題は、研究代表者の産前産後の休暇・育児休業の取得に伴い、2022年8月11日から2024年3月31日まで研究を中断しており、2022年度の実質の研究期間は4月から8月までの4ヶ月であった。しかし、『レヴィナス読本』において、今後の研究の基礎部分を構築でき、さらにレヴィナス哲学の教育における現代的意義関してはシンポジウムも開催できたので、概ね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2024年4月1日から研究を再開する。『レヴィナス読本』所収の各論において開かれた、哲学史や現代的意義に関する領域における研究を深めつつ、新たな領域の開拓を可能な限り行う。具体的には研究分担者に加え、関連する研究者も招いたシンポジウムやワークショップ、レヴィナスを扱った著作の書評会などを積極的に開催してゆき、『レヴィナス読本』の続編となるような論集の出版を目指す。

次年度使用額が生じた理由

本研究課題は、研究代表者の産前産後の休暇・育児休業の取得に伴い、2022年8月11日から2024年3月31日まで研究を中断している。そのため、次年度使用額が生じた。2024年4月1日の研究再開後に使用する予定である。具体的には研究分担者に加え、関連する研究者も招いたシンポジウムやワークショップ、レヴィナスを扱った著作の書評会などを積極的に開催してゆき、『レヴィナス読本』の続編となるような論集の出版を目指す。

  • 研究成果

    (12件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 倫理学はレヴィナスとどう対話できるか2022

    • 著者名/発表者名
      村上暁子
    • 雑誌名

      レヴィナス研究

      巻: 4 ページ: 3-5

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 被造性・繁殖性・分離―中真生『生殖する人間の哲学――「母性」と血縁を問い なおす』によせて2022

    • 著者名/発表者名
      平石 晃樹
    • 雑誌名

      レヴィナス研究

      巻: 4 ページ: 12-18

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 具体的な生、経験、哲学―渡名喜庸哲『レヴィナスの企て』によせて2022

    • 著者名/発表者名
      平岡紘
    • 雑誌名

      レヴィナス研究

      巻: 4 ページ: 39-46

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 人間の「多層性」における「倫理」の地位 ――渡名喜庸哲『レヴィナスの企て』に寄せて2022

    • 著者名/発表者名
      藤岡俊博
    • 雑誌名

      レヴィナス研究

      巻: 4 ページ: 47-54

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 「創造」の具体化――渡名喜庸哲氏『レヴィナスの企て』の読解2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤香織
    • 雑誌名

      レヴィナス研究

      巻: 4 ページ: 75-90

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] レヴィナスの企てと倫理――『レヴィナスの企て』の書評に代えて2022

    • 著者名/発表者名
      馬場智一
    • 雑誌名

      レヴィナス研究

      巻: 4 ページ: 91-99

    • オープンアクセス
  • [学会発表] レヴィナスの語りにおけるアリストテレス哲学 ―マイモニデスを背景に2023

    • 著者名/発表者名
      長坂真澄
    • 学会等名
      宗教哲学会 第 15 回学術大会
  • [学会発表] タクトを超えて ――ヴァン=マーネン、レヴィナス、道徳教育2022

    • 著者名/発表者名
      平石晃樹
    • 学会等名
      レヴィナス協会第5回大会 シンポジウム「教育と対話 レヴィナスとローゼンツヴァイクから出発して」
  • [学会発表] ジャンケレヴィッチ『第一哲学』における直観概念2022

    • 著者名/発表者名
      平岡紘
    • 学会等名
      哲学会第61回研究発表大会
    • 招待講演
  • [学会発表] Levinas et sa transformation du concept de l'experience2022

    • 著者名/発表者名
      Masumi Nagasaka
    • 学会等名
      Colloque de Cerisy : Levinas et Merleau-Ponty : le corps et le monde
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 対話と教育―レヴィナスから考える2022

    • 著者名/発表者名
      馬場智一
    • 学会等名
      レヴィナス協会第5回大会 シンポジウム「教育と対話 レヴィナスとローゼンツヴァイクから出発して」
  • [図書] レヴィナス読本2022

    • 著者名/発表者名
      レヴィナス協会、渡名喜 庸哲、藤岡 俊博、石井 雅巳、犬飼 智仁、小手川 正二郎、佐藤 香織、長坂 真澄、服部 敬弘、馬場 智一、平石 晃樹、平岡 紘、村上 暁子
    • 総ページ数
      352
    • 出版者
      法政大学出版局
    • ISBN
      978-4588151286

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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