研究課題/領域番号 |
22K00074
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
塩崎 悠輝 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (00609521)
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研究分担者 |
石田 友梨 岡山大学, 社会文化科学学域, 特任准教授 (60734316)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | イスラーム / ネットワーク / デジタル人文学 / デジタル人文学 / ウラマー / 東南アジア / 南アジア / 中東 |
研究実績の概要 |
本研究は、イスラーム学者(ウラマー)による地域を横断した知の継承について、実証的研究を行うことを目的としている。主な研究対象となるのは、19世紀末から20世紀初めにかけての中東、南アジア、東南アジアのウラマーの間での知の継承である。研究方法として、史資料のデジタル化やテキスト・マイニング、ネットワークの可視化と分析を重視する。これらの研究目的を達成するうえで、2023年度は研究実績の発表が豊富であり、本研究を遂行するための研究方法を確立するうえでの予備的な研究も進んだ。 2023年度は、須永恵美子・熊倉和歌子編『イスラーム・デジタル人文学』(人文書院、2024年2月)の刊行に寄与した(研究代表者の塩崎と共同研究者の石田が1章ずつ執筆)他、塩崎は英語の著書2冊、日本語の著書1冊に執筆した。 また、石田は日本語の論文を1本刊行し、国際会議での英語による口頭発表を2回、日本語での学会、研究会、シンポジウムでの口頭発表を6回行った。 以上の研究実績は、中東、南アジア、東南アジアを横断したイスラームの知の継承と、それが行われる場としてのムスリム社会に関する研究である。同時に、これらの研究実績は、テキストデータの処理や人的ネットワークの分析といった、いわゆるデジタル人文学の最新の研究方法をいかにしてイスラーム研究に応用していくかという問題意識のもと、今後の研究のための基礎的研究という面も強く、これからの本研究を準備し推進するうえで必要な研究実績でもあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
2023年度は、英語および日本語での著書の刊行が多かった。また、マレーシアでの現地調査や国際会議などの場において、諸外国の研究者の研究に接し、意見交換を行う機会が多く、今後の研究のために多くの示唆を得た。 現地調査においてデータを得るとともに、その分析も進み、それらの成果は2024年度に著書や論文、口頭発表のかたちで研究実績として発表される予定である。したがって、2023年度は本研究が当初の計画以上に進展したといえる。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度はインドネシアで現地調査を行い、資料収集や聞き取り調査を行う。また、英語の著書1冊および日本語の著書1冊の刊行、英語での複数の口頭発表を行う予定である。 2025年度以降はバングラデシュ、インド、パキスタンなど南アジアを中心に現地調査を行い、あわせて国外での英語での口頭発表を行う。 これらの研究に基づいて、2026年度までに英語での単著を刊行する。また、少なくとも1冊の英語での共著を刊行する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はマレーシアでの海外調査を行ったが、円安であるため研究費の不足が予想されたため、前倒し支払い請求を行った。 しかしながら、海外調査に支出した金額は、想定よりもやや少なかったため、前倒し支払い請求分を使い切ることにはならず、次年度使用額が生じた。 次年度使用額は、2024年度にインドネシアでの海外調査の際の支出の一部として使用する。
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