研究課題/領域番号 |
22K00082
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研究機関 | 桐蔭横浜大学 |
研究代表者 |
福浦 一男 桐蔭横浜大学, スポーツ科学部, 准教授 (80425016)
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研究分担者 |
福浦 厚子 滋賀大学, 経済学系, 教授 (90283548)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 東南アジア / タイ / シンガポール / 憑依文化 / 上座部仏教 / 呪術 |
研究実績の概要 |
2023年度は当初の研究計画に基づいてタイとシンガポールにおける憑依文化と呪術実践の興隆に関する調査・研究を継続実施した。タイのチェンマイ・バンコク・プーケット・ナコーンシータマラート、シンガポールでフィールドワークを実施したが、その際Nakhon Si Thammarat Rajabhat UniversityのMana助教授、及びPrince of Songkla UniversityのJakraphan博士の協力を得た。本年度は北タイの上座部仏教・精霊信仰・霊媒術の宗教職能者たちのトランスナショナルな宗教活動の諸相に焦点を当てると共に、トランスナショナルな信者の具体像の明確化に取り組んだ。 2023年6月には韓国・大邱のKyungpook National Universityで開催された国際学会The AAS-in-Asia 2023においてタイ人研究者を含む多国籍メンバーからなるパネル・セッション’Preserving Social Memories through Performative Means’をオーガナイズし、chairを務めた。またその中で個人発表’Northern Thai Monks and Transnational Devotees’を実施し、北タイの上座部仏教僧とトランスナショナルな信者の密接な関係を明らかにした。個人発表’Memorizing the Religiosity: Ritual Performance of Daoist Temples in Singapore’ではシンガポールにおける宗教の興隆を明らかにした。全体討論においてdiscussantを務め、パフォーマティヴな実践が織りなす社会的記憶の諸相について総合的に論じた。 タイの研究者たちと本研究に関する意見交換を行い、新たな知見を得た。さらに本年度の研究を含む総合的な成果として、一般読者を対象に、呪術等の宗教とスポーツ文化の密接な関係について論文にまとめ、共著書として公刊した。またシンガポール特有のクリスマスに関する1章を同じく共著書として公刊した。2023年度の調査・研究の成果については2024年度中に国内外の学会で発表すると共に、論文として公刊する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
フィールドワークを予定通り実施し、かつ国際学会での研究発表も執り行い、さらに一般向けの共著書も公刊できている。よっておおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は当初の研究計画に基づいて、タイの北部地方の呪術僧・霊媒に関するフィールドワーク、及びシンガポール・タイ・マレーシアの道教寺院のフィールドワークを中心に研究を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた資料が見つからなかったため、2024年度に再度その資料を探す予定である。
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