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2023 年度 実施状況報告書

古代・中世北東北の仏教彫刻における造形の伝播過程解明の研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00156
研究機関弘前大学

研究代表者

佐々木 あすか  弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (80620757)

研究分担者 須藤 弘敏  弘前大学, 人文社会科学部, 客員研究員 (70124592) [辞退]
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード日本彫刻史 / 神将像
研究実績の概要

本研究は、平安時代後期から鎌倉時代の青森県を中心とした北東北の仏教彫刻を対象とし、当該期の造形の伝播過程を明らかにすることを目的とする。その手段として、制作年代・作者系統の判別を可能とする仏像の細部形式を活用し、中央・平泉の仏像と、北東北の仏像とを比較することで、北東北における仏像の造形の伝播過程を、造形に即して明らかにすることを試みるものである。
今年度は、昨年度に引き続き神将像を中心に取り組んだ。神将像の甲や着衣の細部形式は、上半身から両足まで多くの構成要素から成り、それらを1体の像において組み合わせるため、多くのバリエーションを生んでいる。昨年度より、中央と、平泉およびその周辺の仏像の資料収集、各細部形式の体系化をおこなってきたが、さらに細部の情報が足りなかった部分について、調査や熟覧、資料収集によって、神将像各部の細部形式の体系化を継続した。これにより、平安時代後期および鎌倉時代の神将像それぞれに多用される形式の要素を、より詳細に把握することができた。
北東北の仏像では、清水寺天部立像の調査を実施した。特に保存状態について、実見によって制作当初の部分をより明確に判断することができた。調査結果やこれまでの細部形式の検討をもとに、制作時期、制作地の推定をおこなうとともに、当初の体勢を検討した。その成果の一部は「仏像の造形はどのように伝わるのかー中世の東北地方の仏像を例に」として口頭発表をおこなった。また昨年度も調査を実施した南部町所在の毘沙門天像について、熟覧により詳細な構造の把握や、細部形式の特徴を指標とした制作年代の検討をおこなった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、昨年度の研究によって課題となった神将像の分析の精度をより高めるため、資料の収集、調査・熟覧を継続した。これによって、如来像の調査が未実施となったものの、資料収集は概ね順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

如来像の調査を実施し、併せて資料収集をおこない、細部形式の体系化を進める。それをもとに、調査対象作品について、個別の作品研究をおこなう。また、これまでに継続してきた菩薩像、神将像についても、必要に応じて熟覧や資料収集を継続し、分析の精度をより高めるよう努める。

次年度使用額が生じた理由

年度末に急遽当該期の毘沙門天像の熟覧がかない、当初予定していた支出を調整し旅費にあてたことによる。予定していた追加の調査機材の購入は次年度におこなう予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 仏像の造形はどのように伝わるのかー中世の東北地方の仏像を例に2023

    • 著者名/発表者名
      佐々木あすか
    • 学会等名
      弘前大学人文社会科学部 国際公開講座2023
    • 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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