研究課題/領域番号 |
22K00213
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
浅野 雅子 北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 教授 (20404791)
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研究分担者 |
豊巻 敦人 北海道大学, 大学病院, 助教 (70515494)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 音楽療法 / ボーカロイド |
研究実績の概要 |
古くから実践されてきた音楽療法にICTやデジタルデバイスを加えることで新規の音楽療法を創発し、その効果についてエビデンスベースで明らかにするための事前情報を収集した。 音楽キュレーションアプリを用いることで本人の自主的な選択よりも最適に感じる楽曲が自動的に提示できるが、この音楽を毎日聴取することで不安症状等の改善がみられるかを検討したい。しかしどのような症状を持つ人にどのような楽曲をキュレーションすべきかは現時点では明らかでない。そこでWebを通した質問紙調査を用い、広く楽曲によるポジティブな気分変化についての知見を収集し、キュレーションの前提となる楽曲と気分変化の関係を明らかにしていく。楽曲キュレーションアプリとしてKiiteを用いる予定であり、Kiiteでは基本的にはボカロ曲が提示される。そのため特にボカロ曲を愛好する人にどのような性格的特徴や生育環境の特徴があるかを検証するため匿名でのオンライン・インタビューを行った。内容はボカロ曲に抱く印象、ボカロ曲の聴取・作曲等による肯定的な変化、生育環境、自身の性格等であり、研究代表者らが半構造的に質問した。成人19名(女性14名、25.73±4.38、20~38歳)が本研究に参加した。 結果、ボカロ曲を好む理由として人間離れした人工的な歌声が挙げられた(6/19回答)。15/16の有効回答では、参加者が真面目な子どもであることや、他人を気遣う性格である(4.1点/5点)ことが示された。結論としてボカロ曲を好む人は真面目で他人を思いやる傾向があり、ボカロ曲を好む理由では非人間性を挙げる人が多いことから他者への気遣いに疲労しており、ボカロ曲に安らぎを感じている可能性が示唆された。デジタル機器を活用した音楽療法は人と接することによる動揺を軽減するのに有効かもしれない。今後は大規模な調査を通じてさらに検証を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度はインタビュー調査を踏まえ、大規模調査を行う予定であったが、インタビュー調査にとどまったいるため
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今後の研究の推進方策 |
インタビュー調査内容の質的分析を行い、予定している大規模調査に着手していく。 、
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に実施予定であった大規模調査を、2024年度の実施とするため。
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