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2022 年度 実施状況報告書

戦後日本美術批評史の構築:1980年代以降を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 22K00231
研究機関鳥取大学

研究代表者

筒井 宏樹  鳥取大学, 地域学部, 准教授 (40707064)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2027-03-31
キーワード美術批評 / 戦後日本美術 / スーパーフラット
研究実績の概要

1980年代から2000年半ばまでの日本の美術批評を調査した。主に調査したのは、90年代から2000年代半ばにかけてのネオポップからスーパーフラットに至るまでの言説である。スーパーフラット・プロジェクトを始動させた村上隆の理念、背景、経緯、人的ネットワークを確認するとともに、スーパーフラットをめぐる論争を中心に検討した。東浩紀、浅田彰、岡﨑乾二郎、松井みどりら論争の中心人物の言説から、建築業界や広告業界への波及、海外における言説なども調査した。その成果は刊行予定の単著に組み込まれる予定であるが、関連したアウトプットとして、「TOKYO POPとは何だったのか」(『美術手帖』2022年7月号書評)がある。
また、1980年代から進む戦後日本美術の再評価の動向について調査した。「現代美術の動向Ⅰ-Ⅲ」展(東京都美術館、1981-84)、「前衛芸術の日本 1910-1970」展(ポンピドゥーセンター、1986)など、戦後日本美術を扱った展覧会を検証するとともに、具体美術協会の再評価の言説についても調査した。『絵画の嵐』展図録(国立国際美術館、1985年)、千葉成夫著『現代美術逸脱史』(晶文社、1986年)、尾崎信一郎「生成と持続-具体美術協会再考」『A&C』誌(1-10号、1987-1989年)などが主なものである。その成果は刊行予定の単著に組み込まれる予定であるが、関連したアウトプットとして、「戦後美術の試金石としての具体」(『美術手帖』2023年3月号書評)がある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の進展はおおむね順調である。アウトプットに関しては、刊行予定の単著を準備している。

今後の研究の推進方策

(1)2000年以降の日本の美術批評の言説を調査・検討していく。特にインターネットの浸透による美術の言論状況の変化、震災など社会的出来事と美術批評の関係について探っていく。(2)地方の美術批評の言説についても調査していく。そのうえで、ミニコミ誌、機関誌などのリトルマガジンも含めて収集・調査をすることで、情報量を増やすことを目指していきたい。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 戦後の試金石としての具体2023

    • 著者名/発表者名
      筒井宏樹
    • 雑誌名

      美術手帖

      巻: 75(1097) ページ: 250

  • [雑誌論文] 「TOKYO POP」とはなんだったのか2022

    • 著者名/発表者名
      筒井宏樹
    • 雑誌名

      美術手帖

      巻: 74(1094) ページ: 234

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公開日: 2023-12-25  

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