研究課題/領域番号 |
22K00233
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
橋田 光代 福知山公立大学, 情報学部, 准教授 (20421282)
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研究分担者 |
片寄 晴弘 関西学院大学, 工学部, 教授 (70294303)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 聴き比べ / オンライン教材 / 音楽教育 |
研究実績の概要 |
本研究は、音楽教材のオンライン化を目指し、特に「聞こえ」の違いを利用した教材構成方法論と音楽教材の構築に取り組んできた。コロナ禍が終息し、教育形態が対面主体に戻る中で、オンライン教材の存在意義が問われている。しかしながら、本研究の過程で明らかになった日本の人口分布の現状から、音楽を学ぶ機会が義務教育終了後に急激に減少するという課題が浮き彫りになった。これは音楽に対する憧れがあるものの、知識を失った、あるいは学ぶ機会がなくなった大人たちが、再び音楽に触れるための障壁となっている。音楽教育活動の対面再開に並行して、時間や場所を選ばず自由に学習できるオンライン教材開発も進展させることの重要性を改めて認識するところである。 今年度は、既存の音楽教材の現状調査と、同様に「聴く」に焦点を当てている語学学習サイトの調査を行った上で、音楽教育の分野で使用可能なオンライン教材の開発を中心に進めてきた。「聞こえ」の違いを明示した比較教材の初期版を作成し、これをベースにウェブサイトの構築を進めた。ウェブサイトの機能としては、双方向インタラクションを前提とした、音楽理論の理解を助けるためのリアルタイム音源生成を有する。能動的音楽鑑賞の視点、認知的音楽理論の視点、語学学習にみられる徹底したリスニングテストの方法論といった新たな視点で音楽教材を再構築し、それらを統合するプラットフォームを提供する。このようなプラットフォームは音楽を再び学びたいという人々にとって有益な環境を提供することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進捗状況はおおむね順調と判断する。計画段階ではオンライン教材の開発を主眼としていたが、結果的には、音楽教育の課題抽出とその解決へのアプローチについての幅広い研究に繋がっている。特に、音楽教育が義務教育終了後に急減する問題の浮き彫りと、その解決に向けた教材の提供は、当初の計画以上の進展を見せている。 音楽教育の状況調査と語学学習サイトの調査については、予定通り進行している。特に語学学習サイトの「聴く」に焦点を当てた教育方法論の調査は、音楽教材の開発に重要な示唆を与えている。これらの調査結果を基に、音楽教育の分野で使用可能なオンライン教材の開発に取り組んでいる。 「聞こえ」の違いを明示した比較教材の初期版の作成については、予定よりやや遅れている。原因としては、オンラインでの音源生成および学習者のユーザデータ保持、パソコン利用を想定したユーザインタフェースに関連する技術的な課題がある。現在これらの課題解決に向けて技術的知識の獲得に努めている。ウェブサイトの基本構造は既に完成しており、これから各機能の統合を進める予定である。
以上の状況から、本研究は全体としては順調に進行していると言えるが、特定の項目については遅れが生じている。遅れが生じている部分については、研究協力者全体で解決策を模索し、進行状況を改善することを目指している。それにより、今後、オンライン音楽教材の開発とその利用を通じた音楽教育の振興に更なる貢献が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、以下のポイントを重視して取り組んでいく予定である。 まず第一に、オンライン教材の公開と利用者獲得を進めることである。具体的には、初期版となる比較教材を基に、より多様な教材を制作し、ウェブサイト上で公開する。これにより、音楽理論の学習を自由に行える環境を提供し、音楽に興味を持つ人々が教材を利用して学ぶ機会を増やすことを目指す。また、教材の利用者からのフィードバックを収集し、改善を行いながら、教材の精度と有用性を高めていく。 第二に、教材の効果を評価するための実証実験を実施する。教材の利用者に対してプレースメントテストや習熟度テストを行い、教材の学習効果や理解度の向上を評価する。また、教材の利用状況を分析し、利用者の属性や学習パターンを把握することで、より適切な教材の提供と個別化された学習支援を実現する。 第三に、サイトの利用者フィードバックとデータ分析、サイトの改良を継続的に行い、教材の精度と利用者の満足度向上に努める。利用者からの貴重な意見や要望を反映させることで、より使いやすく有益な教材を提供することが目指される。また、教材の利用状況を定期的に分析し、利用者の学習パターンやニーズに合わせたカスタマイズを行い、個別化された学習支援を実現する。 このような継続的なフィードバックと改良を通じて、教材の質の向上と利用者の満足度向上に取り組むことで、音楽教育の発展と利用者への貢献を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
旅費については、動向調査として予定していた研究会がオンラインになり費用が発生しなかった。 物品費・人件費については、当初計画している教材サイトの開発にあたり、仕様策定の段階で技術的な課題が多く発生したので、一般公開ならびに定期運用は翌年に延期させることとしたため。
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