• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2023 年度 実施状況報告書

日本におけるユニバーサルデザインの科学技術史と情報アクセシビリティに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00281
研究機関筑波技術大学

研究代表者

青木 千帆子  筑波技術大学, その他部局等, 特任助教 (00584062)

研究分担者 白銀 純子  東京女子大学, 現代教養学部, 准教授 (00329161)
中野 泰志  慶應義塾大学, 経済学部(日吉), 教授 (60207850)
倉片 憲治  早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (90356931)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード障害 / 情報アクセシビリティ / ユニバーサルデザイン
研究実績の概要

①大学で使用するICTのアクセシビリティに関する研究
2023年夏にイギリスを訪問し、LMSのアクセシビリティの現状について調査した。イギリスでは2018年に公的機関に対するウェブアクセシビリティ義務化指令が出されて以後、この数年で大きな変革が行われている。結果、Authoring Tool Accessibility Guidelines (ATAG) を活用したLMSの普及が進んでいることを確認し、帰国後Blackboard Ally等について情報収集した。これらの内容について、2023年12月大学ICT推進協議会、2024年福祉情報工学研究会で報告と論点整理を行った。
②ユニバーサルデザインに関する科学技術史研究
2023年度の間に「共用品」「ユニバーサルデザイン」「福祉用具」の歴史に関する調査を終え、論文としてとりまとめた。2024年度に入ってからになるが投稿し、現在査読中である。関連する内容で、生活支援工学会の研究助成を獲得し2024年度に調査を進めた。こちらは2023年9月LIFEにて報告を行い、論文化する作業を進めている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

大学で使用するICTのアクセシビリティについては、本科研の取組として改善策を検討し、ガイドライン等を提案する予定で調査を進めていた。しかし、W3C Web Accessibility Consortium (WAI)においてLMSのアクセシビリティが課題として認識され、国際的な文脈での議論が始まっている。このため、本科研の取組として実施予定だった改善策に関する検討作業を中止し、W3Cにおける議論の動向を把握すること、及び、そこで示されているガイドライン等の日本への応用可能性について検討する作業へと、方向転換している。

今後の研究の推進方策

①大学で使用するICTのアクセシビリティに関する研究
2024年度は、国立国会図書館が電子図書館のアクセシビリティに関するガイドラインを公表しWCAGに言及していることから、図書館関係者向けにWCAGに関する情報提供を行う作業を行う。加えて、日本でWCAG、ATAG、WAI-ARIAについて学ぶ場がない現状を踏まえ、これらの情報を学ぶためにカリキュラム案を検討する。こちらについては、国外の情報科学系の学部で同様の内容を学ぶ際にどのようなカリキュラムが提案されているのかを確認し、その上で日本の現状を踏まえたカリキュラム案を提示する。
②ユニバーサルデザインに関する科学技術史研究
2024年度は、3年間に実施した研究内容の全体を踏まえた論点整理を行う。補足的なインタビュー調査や文献調査を行いつつ、学会で議論を重ね、まとめた論文を国際誌に投稿する予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度に予定していた国際調査に関し、円安進行のため当該科研費のみでは不足することになった。このため別の予算を獲得し、そちらと併用して実施することにしたため。
また、所属組織の移動により適応される学内規定が変わり、予算の執行方法に変更が生じたため。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] アメリカの学校におけるバリアフリー資料の製作と共有の仕組み2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子
    • 雑誌名

      視覚障害 : その研究と情報

      巻: 425 ページ: 20-27

  • [雑誌論文] ロービジョンケアと読書バリアフリー<報告>2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子・野口武悟
    • 雑誌名

      カレントアウェアネス-E

      巻: 469 ページ: オンライン記事

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] この人に聞く(筑波技術大学 青木千帆子氏×社会福祉法人日本視覚障害者団体連合情報部長 吉泉豊晴)2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子・吉泉豊晴
    • 雑誌名

      声の広報 厚生

      巻: 285 ページ: オンライン記事

    • オープンアクセス
  • [学会発表] モーニングセミナー2読書バリアフリー法のロービジョンケアにおける活用2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子・野口武悟・坂本康久・濱田佳世・別府あかね
    • 学会等名
      第24回日本ロービジョン学会
  • [学会発表] 米国調査を通した教材提供プロセスにおけるユニバーサルデザインと個別調整のバランスに関する検討2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子
    • 学会等名
      日本特殊教育学会第61回大会
  • [学会発表] 米国調査を通してみた日本の読書バリアフリーに関する支援の展望2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子・中野泰志・野口武悟・坂本康久・濱田佳世・別府あかね
    • 学会等名
      第31回視覚障害リハビリテーション研究発表大会
  • [学会発表] 読書バリアフリーに関するリソース活用デモンストレーション2023

    • 著者名/発表者名
      宮城愛美・青木千帆子
    • 学会等名
      AHEAD JAPAN CONFERENCE 2023(第9回全国大会)
  • [学会発表] 教育機関に所属する障害者を対象としたアシスティブテクノロジーの利用体験に関する調査研究中間報告2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子・宮城愛美
    • 学会等名
      LIFE2023
  • [学会発表] ウェブアクセシビリティセミナー#2 Diversity Equity & Inclusionを実現するアクセシビリティ2023

    • 著者名/発表者名
      中村精親・伊敷政英・中野信・青木千帆子
    • 学会等名
      CEATEC2023
  • [学会発表] 高等教育機関におけるウェブアクセシビリティの重要性2023

    • 著者名/発表者名
      大学ICT推進協議会(AXIES)2023年度年次大会
    • 学会等名
      中村精親・青木千帆子
  • [学会発表] LMSのアクセシビリティに関する日本の現状2023

    • 著者名/発表者名
      青木千帆子・白銀純子
    • 学会等名
      福祉情報工学研究会
  • [学会発表] Authoring Tool Accessibility GuidelinesがLMSの開発に及ぼす影響2023

    • 著者名/発表者名
      白銀純子・青木千帆子
    • 学会等名
      福祉情報工学研究会
  • [図書] 図解でわかる 意思決定支援と成年後見制度2024

    • 著者名/発表者名
      岩崎 香
    • 総ページ数
      184
    • 出版者
      中央法規出版
    • ISBN
      9784805889879

URL: 

公開日: 2024-12-25  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi