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2023 年度 実施状況報告書

西源院本系『太平記』校本作成のための基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00328
研究機関早稲田大学

研究代表者

和田 琢磨  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40366993)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
キーワード太平記 / 織田本 / 西源院本 / 明徳記 / 興国寺
研究実績の概要

本年度は織田本の翻字作業を進めながら他本との関係を考察した。また、織田本(西源院本系本文)の存在が確認できる応永年間の文化状況と軍記物語の関係について考察した。
具体的には、織田本の翻字を約3分の2程程度終えたほか、『太平記』の表現世界を支える思想のあり方について研究史を再検討し、論文化する準備を進めた。また、応永年間には成立していたと推断される『明徳記』に収められている禅宗関係の記事を分析し、織田本(西源院本系本文)が存在していた時代における思想と文化状況について考察した。特に興国寺に関する部分の叙述に焦点を当てて、南北朝時代の京都における地方の宗教テクストの受容と軍記物語の叙述の問題について考察した。これについては近々公表する予定である。
諸本の調査としては、阪本龍門文庫に9月と3月に調査に行き豪精本『太平記』の調査を行った。今回は巻17・18の調査を行い、特に巻18には丁類本の特徴が多く認められることを確認することができた。また、3月に吉川史料館で吉川家本『太平記』を調査したほか、山口県文書館で口羽本『太平記』と『明徳記』断簡の調査を行った。吉川家本・口羽本ともに奥書が朱筆で書かれていることやその筆跡から、書写者と奥書を記した人物が異なる可能性があることが推察できたしたほか、口羽本の保存状態や細かな書き入れを実見した。なお、『明徳記』断簡は、近世の歴史編纂史料作成のために『明徳記』から抄出した文書で、『明徳記』断簡という性質のものではないことを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本字作業が多少遅くなっているが、その分他の研究は進んでいる。次年度に翻字に力を入れ、期間内には帳尻を合わせる予定である。

今後の研究の推進方策

本年度も織田本の翻字作業を進める。また、阪本龍門文庫蔵豪精本『太平記』などの諸本調査も継続的に進める。その他に、『太平記』の表現世界の追求及び同時代の思想・文化との関係についても研究を進める。

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公開日: 2024-12-25  

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