| 研究課題/領域番号 |
22K00383
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| 研究機関 | 実践女子大学 |
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研究代表者 |
志渡岡 理恵 実践女子大学, 文学部, 教授 (80597526)
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| 研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| キーワード | イギリス / 女子教育 / キャリア形成 / ジェンダー / 文学 |
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| 研究実績の概要 |
初年度にあたる2022年度は、研究実施計画に従い、近代的女性像の構築と女性誌の関係に関する最新の先行研究を収集し、本研究を進めるために必要な情報や背景的知識、理論的枠組みを把握することに努めた。それに加え、研究発表2件、研究論文1本、翻訳1本において研究成果を発信することができた。
イギリスの国際学会Women's History Network 2022 Annual Conferenceでは、近代的女性像の構築に大きな役割を果たした女性参政権運動をテーマにしたパネル11: Activism and the Fight for Suffrageで、イギリスのサフラジェットConstance Lyttonの回想録を取り上げ、
“Constance Lytton’s Protest against Forced Feeding"と題した研究発表をし、司会のSarah Richardsonらと質疑応答を行った。そして、この時のディスカッションを踏まえ、発表原稿に加筆修正を施し、研究成果を論文にまとめた（2023年3月刊行）。
また、本務校である実践女子大学の下田歌子記念女性総合研究所からの依頼により、Linda Johnsonの“Meiji Women’s Educators as Public Intellectuals: Shimoda Utako and Tsuda Umeko"の翻訳に取り組み(2023年2月刊行)、19世紀末から20世紀初頭に欧米で得た知見を活かし日本の女子教育改革に尽力した下田歌子と津田梅子の思想と活動を、イギリスの女子教育改革と比較する機会を得た。また、その際に行ったリサーチに基づき、「『発信する知識人』――海外における下田歌子の受容」と題した研究発表を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新型コロナウィルスの影響で国内外の学会への参加はオンラインが中心となったものの、移動を伴わないため参加がしやすく、最新の研究動向の把握に大きな支障はなかった。資料収集には、洋書の価格高騰などによる影響が多少あったが、入手した資料を読む作業を予定より早く進めることができた。研究成果の発信も順調に行うことができ、研究は概ねスムーズに進んでいる。
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| 今後の研究の推進方策 |
2年目にあたる2023年度は、研究実施計画に従い、19世紀後半から20世紀前半に刊行された女性誌の教育・キャリア形成に関する記事を読み、当時の女性誌ではどのような情報が提供されていたのかを確認し、記事を分析して、そこには女性たちのどのような意識やライフスタイル（の変化）が読み取れるのかを明らかにする。使用する予定の女性誌は、モダン・ガールをターゲットにした少女雑誌、中産階級の主婦とキャリア・ウーマンをターゲットにした月刊誌 、女性公務員の機関誌、 フェミニストの雑誌、働く女性のための労働党の雑誌などである。
それに加え、イギリスにおける近代的女性像の構築に寄与したと推測される女性作家の活動や作品に関するリサーチを行い、その成果を研究発表や論文などにおいて発信する。現時点で研究発表が決定しているのは、6月に日本で開催される日本オースティン協会のシンポジウムと、8月にイギリスで開催される国際学会のシンポジウムである。また、本務校である実践女子大学の下田歌子記念女性総合研究所の研究会においても、イギリスの女性誌に関する研究発表を行う予定である。また、日本ギャスケル協会から依頼を受けた19世紀イギリスの女性と移民に関する研究書の書評にも取り組む。
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