研究実績の概要 |
本年度はExeter BookにおけるWisdom Poetryの言語的特徴の分析を行うべく、本写本における言語使用の状況について、音韻、語彙、韻律について詳しいデータを取り、それを記録し始めた。正確な研究成果を出すことが出来るよう、範囲をWisdom Poetryに限らず、写本全体についてデータを取ることにしたが、これには非常に時間がかかり、本年度内に終えることが出来なかったため、来年度も引き続きこの作業を続けることにした。 この作業と並行し、特に本写本に収録された Maxims Iの言語に関し、その音韻、語彙、韻律の詳細な分析を行い、またこれを同写本内の他のWisdom Poetryの場合と比較し、その成果を文章にまとめ、これを2024年度に出版予定の著書(The Old English Gnomic Poems Maxims I and Maxims II(仮題))の中に組み込み、その原稿を出版社に提出した。 この他、これらの作業を通じて得た知見を活かし、国際学会において "The Two Poetic Prelimnaries to the C-Text of the Anglo-Saxon Chronicle, The Menologium and Maxims II, Compared" と題した研究発表を行った。 また、昨年度行われた西洋中世学会において発表した本研究と関連する論考について、同学会の学会誌に寄稿するべく論文の形にまとめた(これについては次年度に出版予定)。 夏季には英国に出張し、今後の研究のための資料を収集したり、写本を調査したり、専門家と本研究の方向性や詳細について詳しく話し合い、今後の研究について非常に有益な情報を得ることが出来た。
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