研究課題/領域番号 |
22K00404
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
吉本 和弘 県立広島大学, 地域創生学部, 教授 (90210773)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 英語圏児童文学 / 古典的作品 / 演劇 / 映画 / 現代批評理論 |
研究実績の概要 |
本課題「古典的英語圏児童文学作品の舞台化や映画化作品の現代批評理論に基づく研究」については、実質的に2022年度には成果をあげることができなかった。それは、2018年に採択されて同時に抱えている研究課題「ヴィクトリア朝期の写真術と文学とラファエル前派主義芸術の関係性に関する研究」(18K00377)が、コロナ禍の影響によって研究が停滞し、2度の延長申請の末、2023年度も並行しておこなっていることが大きく影響している。またこのコロナ禍において、勤務校である県立広島大学地域創生学部地域文化コース長に任ぜられ、その激務をこなさなければならなかったことも大きく影響した。この研究課題をやり終えないと、次の課題に取り組めないと感じているところだが、今年度はなんとかこの先行する課題に区切りをつけて、本課題に手をつけることができるのではないかと考えている。 幸いにも2023年度に入って、コロナ禍も収束に向かいつつあり、5類への移行も行われて、大学の授業が原則対面に戻り、国内、国外への旅行もほぼ障害なく行うことができるようになってきたため、今年度は、両方の研究課題を並行して実施し、前の課題をなんとか仕上げてゆき、本課題に本格的に取り組むことができるだろうと予想している。研究対象となる作品の鑑賞やそれに関する資料収集等の活動に積極的に取り組み、まずは少しでも研究成果を出せるように精進したいと考えている。古典的英語圏児童文学作品の例としては『不思議の国のアリス』、『ピーターパン』、最近の作だが『ハリー・ポッター』なども視野に入れて考え、実際に作品が作られているものを対象として研究対象を定めてゆきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2018年に採択されて同時に抱えている研究課題「ヴィクトリア朝期の写真術と文学とラファエル前派主義芸術の関係性に関する研究」(18K00377)が、コロナ禍の影響によって研究が停滞し、2度の延長申請の末終了しておらず、2023年度も継続し、本課題と並行しておこなっていることが大きく影響している。またこのコロナ禍の2020-22年において、勤務校である県立広島大学地域創生学部地域文化コース長に任ぜられ、その激務をこなさなければならなかったことも大きく影響した。このコース長の任は、さらに2年間延長されたため、これによるエフォート量の減少は避けられないが、なんとか努力したいと考えている。これらの理由により、本課題の初年度の研究はほぼ全く進展しなかった。2023年度からは心機一転して真摯に取り組む所存である。まずは演劇や映画等で制作された作品を実際に鑑賞し分析するという作業を進め、同時に批評理論の整理、先行研究の研究を進めてゆく。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍とか、ロシアの軍事侵攻といった世界的な大問題がこの数年間に発生して、文化研究にもかなりの影響があったと考えられる。その中でも、古典的な児童文学作品の新たな演出による作品化は行われており、新たな視点も必要になってきていると思われる。古典的英語圏児童文学作品としての『不思議の国のアリス』、『ピーターパン』、最近の作だが『ハリー・ポッター』などを視野に入れて、まずは最近の舞台化、映画化、等々の作品をどのような視点で分析してゆくか、研究の枠組みについて再検討をする必要があると考えている。あくまでも最新の発表作品を分析する方向で考えているので、どのようなものがあるのかを確認してゆく作業が必要になるだろう。その上で、残りの研究期間でどのような成果を目指すのか、早急に計画を練り直し、作品を見る活動を夏以降に実行したいと考えている。並行して先行研究の収集と理解に努め、批評理論についての知見を蓄積する作業をおこなってゆく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2018年採択の前課題が、コロナ禍の影響によって研究が停滞し、2度の延長申請の末、2023年度も並行しておこなっていることが影響した。また、コロナ禍で海外渡航などができず、研究対象とすべき作品の干渉などが行えず、実質的に研究に取り掛かれなかった。 コロナ禍による障害がほぼ無くなった2023年度は、前年度使用しなかった助成を用いて、先行研究の資料収集や現代批評理論の知見の蓄積のための情報機器の購入と、実際に演劇作品や映画化作品の鑑賞を現地にて行うための旅費等に、費用を使ってゆく予定である。
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