研究課題/領域番号 |
22K00452
|
研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
田口 亜紀 共立女子大学, 文芸学部, 教授 (90600502)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
キーワード | フランス文学 / 観光 / ツーリスト / 旅行記 |
研究実績の概要 |
本研究計画は、観光黎明期の歴史的かつ文化的状況を念頭に置き、1811年から1871年までにフランス語で流通した言説の分析を行うことを、主たる目標としている。これまで積み上げられてきた先行研究を踏まえた上で、「旅」と「観光」の概念の変遷を跡づけるということである。研究の実施には、19世紀の出版物の収集が前提となっている。そのため、2022年度には、分析の基礎となる、もしくは必要となる文献をリストアップした。研究課題実施初年度であることから、基礎文献のリストアップの作業を第一に行わなければならないと判断した。 つまり、この期間にフランス語で流通した言説において、「旅」と「観光」の具体例を分析することで、これらの概念の変遷を明らかにし、現代観光文化の諸問題の根源を探ることを最終的なねらいに定めているので、本研究の目的および学術的独自性と創造性について、研究の方向性の検討を行ったのであった。 旅の報告がノンフィクションの形式で、具体的な背景の中で十全に語られるとき、そこに使用される語いにも注目する必要がある。特に十九世紀は、「旅」voyageと「観光」tourismeの概念が劇的に変容する時代である。そこで本研究課題では、旅のルポルタージュをテキストデータ化し、それらをもとに計量テキスト分析を用いる方法を採用する可能性について検討した。つまり、客観的かつ量的データに基づいて「旅」と「観光」の概念の変遷を跡づけるために、方法論の模索を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大の影響により、エフォートの見直しに迫られたことによる。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染が終息に向かいつつある中、研究環境も正常化しつつあるので、2023年度の長期休暇中に、資料の調査研究を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた研究調査のための出張を、2023年度に延期したためである。2023年度に使用予定である。
|