研究課題/領域番号 |
22K00466
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
渡邉 顕彦 大妻女子大学, 比較文化学部, 教授 (60612025)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 近世ラテン語 / キリシタン研究 |
研究実績の概要 |
今年度は4月にオンラインでポーランドのTemberski日本関係劇三部作について、4~5月にフィリピンで日本関係近世ラテン語について発表を行い、同時にフィリピンで新たに近世ラテン語文献(手稿を含む)に関する研究調査をサントトーマス大学文書館を中心に行い、多くの成果があった。また9月にはSociety of Neo-Latin Studies主催のオンラインコロキウムに参加し、ドイツ、ポーランド、フィリピンなどに現存する東アジア、特に日本関係近世ラテン語手稿について発表した。続いて9月と2月にローマで研究調査を行った。2月の調査ではアウグスチノ会文書館とローマイエズス会文書館で近世日本人が書いたラテン語一次文献を確認できた。また同じく2月のローマ出張ではAcademia Vivarium NovumでもGianpietro Maffeiの近世ラテン語の名作Historiarum Indicarum LibriXVIについて連続講義を行った。さらに11月にはパリにて非西洋における近世ラテン語教育拡散の文脈の中における日本の例について発表を行った。また上記発表や調査を行うのと並行して、オランダの学術出版社Brillより出版予定の単著書Neo-Latin and Japan(仮題)の原稿準備も進めている。ほか2024年秋から冬にかけてはフィレンツェの市文書館に現存する17世紀初頭の荒木トマスラテン語書簡の電子画像も入手し、これの読解をした。さらにオーストリアにある、日本関係イエズス会劇の一次データを網羅的に収集解析したDietrich遺稿のスキャンや発表準備作業も国内外の研究者たちと協力し推進している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ポーランドのTemberski3部作のほか、新たにローマのイエズス会文書館で発見した17世紀初頭のミゲル・ミノエスあるいは小西マンショによるラテン語文書など、近世ラテン語手稿の調査読解は順調に進んでいる。また、これまでの本研究総括の大部分を含むBrill単著書の原稿も2025年夏の完成を目指して執筆がおおむね計画通り進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、6月にイギリスに出張しローマイエズス会文書館で発見読解を進めているミゲル・ミノエスまたは小西マンショによるラテン語文書を中心にした発表を行う予定。また夏には長崎における調査研究を経てBrill単著書原稿を仕上げ提出し、さらには2月にはローマのAcademia Vivarium Novumに再度出張し、本研究の総括を発表したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
2024年2月にイタリア出張を行ったが、これの支払い処理が年度中に出来ず、執行が次年度となったため。
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