研究課題/領域番号 |
22K00507
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山田 彬尭 大阪大学, 大学院人文学研究科(言語文化学専攻), 准教授 (70879965)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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キーワード | 定量的言語研究 / コーパス言語学 / 実験言語学 / 敬語 / ベイズ統計学 |
研究実績の概要 |
本研究は、精密な統計解析をもとに、敬語の諸構文における確率的な構文交替の実態を明らかにし、主に分散形態論の枠組みで、どのようなメカニズムで構文交替が発生するのかについて理論化を目指すプロジェクトである。確率的構文交替を理論化する試みは理論言語学において稀であり、ましてやコーパス・実験の両面を成功裏に統合した研究は国内外を問わず無いに等しい。本研究が成功することで理論言語学における新潮流を日本から世界に先駆けて発信することができ、日本が同分野でイニシアティブを取ることが見込める点で、本研究は言語学における重要な成長戦略として位置づけられる。
初年度の2022年度は、数々の国内外の学会発表で研究発表を行った他、主要な事例研究として位置づけていた「ないです(新規表現)」と「ません(規範表現)」は確率的な交替関係についての考察がコーパスでの分析において深められ、成果が国際誌に掲載された点で、順調に進行していると言える。今後は実験を実施するなかで、得られた結果がの妥当性等を検証していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記に述べたように、コーパスと実験という二つの柱を持つ本研究では、コーパスで得られた分析を実験で検証することなどを通して、より深い言語理解を目指すものであるが、実験については、現在、1月よりパイロットのものを数回実施し、修正を重ねている段階である。コーパスについては、既に論文になったものがあり、早いペースで進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
実験について、パイロットのものを終え、本実験を実施し、成果を発表したいと考えている。また、対象についても、丁寧語以外のものへ増やし、考察を深めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度は新型コロナウイルスの影響で十分に実験協力者を集められなかったが、収束に向かいつつある本年度は十分に集められると見込んでいる。協力者の方へ謝金等への支払いを中心に、研究を進めるためのリソースへこのお金を当てたいと考えている。
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