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2023 年度 実施状況報告書

認識性の日中対照会話分析

研究課題

研究課題/領域番号 22K00526
研究機関東京大学

研究代表者

遠藤 智子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40724422)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード認識性 / 会話分析 / 日中対照
研究実績の概要

4月に開催された国際学会The 5th Interactional Conference on Interactional Linguistics and Chinese Language Studiesにおいて、日本語と中国語の会話における認識性標識の使用実態を対照する招待講演を行った。同じ条件で収録された会話データにおいて、declarative question(平叙文の形式でなされる質問)は日本語会話よりも中国語会話においてより多く観察されたということ、および、情報を受け取るターンにおいて、日本語会話では特定の認識変化詞がほぼ義務的に用いられていたのに対し、中国語会話においては様々な感動詞が用いられていたことを報告した。
春から夏にかけては思考の引用に着目して日中両言語のデータを観察し、その共通点と相違点について考察した。9月の認知言語学会では主に中国語会話に関して発表し、10月にはヘルシンキ大学およびカリフォルニア大学ロサンゼルス校にて日本語会話に関して発表した。中国語に関する分析は論文にまとめ、2024年9月に刊行される論文集に掲載予定である。認知言語学と相互行為言語学の双方の観点から分析し、プロソディについても詳細に考察することを通じて、思考の引用によって語られる思考を聞き手は擬似体験することができ、話し手と聞き手の共通基盤が構築され、共感の達成と相互理解に資するということを論じた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究発表を複数回、異なる成果について行い、論文の形でまとめることもできているため。

今後の研究の推進方策

思考の引用は類型論的な研究からも関心を集めていることから、2024年8月にヘルシンキで行われるヨーロッパ言語学会議にてこのテーマでのワークショップに参加し、他言語の研究からもインプットを得る予定である。

次年度使用額が生じた理由

米国での会議に参加する際、先方より旅費の支給を受けたため、その分の費用をこちらが負担する必要がなくなったことによる。次年度はヨーロッパでの学会に2つ連続して参加を予定しており、相当の費用が見込まれるため、そちらの補填として使用する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)

  • [学会発表] The use and non-use of epistemic stance markers: Cases of Mandarin and Japanese conversations2023

    • 著者名/発表者名
      Endo, Tomoko
    • 学会等名
      The 5th Interactional Conference on Interactional Linguistics and Chinese Language Studies
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 会話における思考の引用:中国語会話と日本語会話を例に2023

    • 著者名/発表者名
      遠藤智子・李ユクン・李嘉
    • 学会等名
      日本認知言語学会
  • [学会発表] Stance-taking with reported thought, complementation and discourse markers: the cases of 'think' constructions in Japanese and Mandarin conversation2023

    • 著者名/発表者名
      Endo, Tomoko
    • 学会等名
      Guest Lecture at University of Helsinki
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Stance-taking with "omou" constructions in Japanese conversation2023

    • 著者名/発表者名
      Endo, Tomoko
    • 学会等名
      Asian perspectives on functional linguistics: A retirement conference in honor of Shoichi Iwasaki
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2024-12-25  

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