研究課題/領域番号 |
22K00537
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研究機関 | 東洋学園大学 |
研究代表者 |
依田 悠介 東洋学園大学, グローバル・コミュニケーション学部, 准教授 (00745672)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 言語学 / 助数詞 / 分散形態論 / 数 |
研究実績の概要 |
2022年度は助数詞とそのホストとの間の関係に関する記述的なまとめを行うことを目標としていた。本年度は、いくつかの参考文献を利用し、助数詞の意味的特徴、形態的特徴、頭語的特徴に関して記述的なデータベースを作成することに費やした。その結果、全ての助数詞とはいえないが、50を超えるデータセットを作成することができた。このデータベースに関しては本科研費の研究期間を通してデータの収集を行うこととする。 研究の公表に関しては2022年度には、関西言語学会第47回大会で研究発表を行い、田川 (2021) で提案された日本語語種と異形態の関係について発表した。この発表では、日本語の接辞に見られる語種交替は田川が主張するような異形態である可能性を補強すると同時に、分散形態論で提案される理論的仮定から自然に導かれるものであることを示した。 つづいて、関西言語学会の発表内容を発展的に数詞の一部に応用した結果を第165回日本言語学会のワークショップにて公表した。この過程において、いくつかの重要な示唆が得られ、日本語のみならず、他の外国語や数自体のメカニズムに対して検討が必要であることがわかった。 2022年度は今後の研究に関する基礎的な記述やデータ収集を行う期間として設定しており、その目的は果たせたと考えると同時に、さらなるデータベースの拡大を目指してデータ収集・記述を行う。2023年度は、対象を日本語だけでなく、他の言語に広げさらなるデータ収集、数に関する先行研究の調査、名詞句の構造化に関する研究を実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該研究は概ね予定通りに進行している。本年度は数量表現全体の漢語と和語の交替に関する調査にあてていた。調査に関しては、少なくはない数のデータが揃いデータベースが作成できた。データに関しては今後拡充していく予定である。 それに加え、当初予定していたよりも多く研究の成果が得られたため、国内の学会でその内容を発表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの数量表現に関する研究のレビューと、データベースの拡充、それに加えて数表現の統語論(Ionin and Matsushansky 2018, Tatsumi 2021)などを参考に、数に関する頭語構造の検討を行なっていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は研究機関においてもコロナ禍の影響を受けて国内・国外ともに出張を行うことが難しかった。また、研究者の研究が学会等で採択された場合にもオンラインの学会が多かった。このような理由から旅費に関して研究費の執行ができなかったことが繰越金が生じた大きな原因である。 一方、現在燃油価格・円安が進み旅費の大幅な値上げがあり、科研費応募当初より出張に係る旅費が高くなることが見込まれる。繰越金はこの差額の埋め合わせに利用される予定である。
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