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2024 年度 実績報告書

共同注意場面におけるやりとりと指示詞体系に関する対照言語学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00546
研究機関北海道大学

研究代表者

平田 未季  北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (50734919)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
キーワード指示詞 / 共同注意 / 視覚的注意 / 中国語 / ブラジルポルトガル語 / 犬 / 相互行為
研究実績の概要

本研究では、自然会話データを用い「なぜ指示詞は言語普遍的に複数の代替形と統語範疇を持つのか」という問いについて考察した。2022年度は、日本語・ブラジルポルトガル語・中国語・英語を母語とする成人間の屋外会話データを収集し、会話参加者が周囲の環境内の事物に視覚的共同注意の焦点を当てる場面(共同注意場面)を抽出・分析した。2023年度は、比較対象として犬とその飼い主による屋外での相互行為データを収集し、飼い主が犬に対して指示詞を用いる‘共同注意場面’を抽出・分析した。2024年度は、‘共同注意場面’のみならず、飼い主が言語を用い犬に語りかける場面全般を分析した。
以上より、同一の言語を母語とする成人間の共同注意場面では、4言語とも、Side Activity (SA)である共同注意確立過程で、話し手は指示詞の体系性を利用し、相手が指示対象に向ける注意の状態を推定しながら、対象について与える直示情報の量を調整するため、指示詞の統語/直示素性を切り替えていた。さらに、共同注意が確立した対象をMain Activity (MA)である談話に持ち込む際に用いられる指示形式は(i)日本語・ブラジルポルトガル語のように指示詞である言語と、(ii)中国語・英語のように照応代名詞である言語とに分けられた。指示詞体系の外に照応代名詞を有するか否かによって、共同注意場面での指示詞選択の傾向も異なっていた。共同注意場面における指示詞の切り替えは、犬のように言語を解さない対象に対しても行われるが、犬に対しては、(i)直示素性の切り替えは生じるが質的素性や統語素性の切り替えは生じない、(ii)切り替えの指標となる注意状態の推定において犬の視線や顔の向きの変化よりも指示対象への直接行動が参照される、(iii)SAからMAへの指示対象の持ち込みが行われない等、人の間の共同注意行動との重要な違いも観察された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2025

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 人の犬に対する指示の展開―内的状態の推定と指示表現の選択に注目して2025

    • 著者名/発表者名
      平田未季
    • 学会等名
      第49回社会言語科学会研究大会

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公開日: 2025-12-26  

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